怪盗キッドじゃないから恥ずかしくないもん!
厳選! 「怪盗キッド」の超簡単な活用法10個
「とりあえず僕達は毛利さんがレンタカーを借りたお店に向かうんですよね。」
佐藤刑事が運転する車の助手席に座りながら高木は警察手帳を広げるとチラリと横目で運転席に視線を向けて言った。
「ええ。犯人が車の内部に仕掛けをしたというのであれば犯人はその車のキーを所持していた可能性が高いわ。そして一番確実な方法は・・・。」
「お店で保管されているスペアキーを持ち出す事・・・ですよね。」
真剣な表情のままそう口にした高木に佐藤が頷く。
「そうよ。だから私達はまずその店の店主に会って話を聞かなくちゃ。」
「わっかりました!!」
そう応えると高木はパンと軽く音をさせて警察手帳を閉じてから胸ポケットにしまった。
それからふと思い出した様に「そういえば・・・。」と言いながら佐藤へと視線を向ける。
「何ニヤニヤしてるのよ。」
その仕事中とは思えない様なまさにニヤケ顔を訝し気に見ながら佐藤が言った。
「いえ・・・ある事を思いだしたんですよ。」
「ある事?」
そう呟いて微かに小首を傾げる佐藤に高木が楽し気に頷く。
「ええ。佐藤さん、知ってますか?あの噂。」
「噂?何の事?」
唐突な問い掛けに佐藤は当然の事ながらハンドルを握り前を向いたたまま首を横に振る。
「突然そんな事言われてもわかるはずないじゃない。」
「そうですよね・・・。」
そう苦笑すると高木はもう一度微笑して言った。
「僕もこの前由美さんから聞いたばかりなんですけど、実は怪盗キッドが一度だけ犯行現場に血液を残していたらしいんですよ。それで警視庁はその血液を密かに採取してDNA鑑定も行っていたらしいんですが、先日その鑑定結果を元にキッド割り出しの一斉捜索を掛けようとしていたところ、その鑑定結果が何者かにより盗まれたらしい・・・って。それでそのデータはサーバー上に厳重保管されていたのも含めて全てデリートされてどこかに忽然と消えてしまったらしいですよ。」
「まさか・・・。だったら盗んだのは怪盗キッド本人なんじゃないの?」
最もなその佐藤の言葉に高木は首を横に振ると人差し指を立てて謎解きをする探偵の様な顔で言った。
「実はそれをやったのがあの佐藤さんの初恋の人、ルパン三世らしい・・・って。」
「何それ・・・。」
まさに一笑に付す・・・という表情で佐藤が溜息混じりに苦笑いを浮かべて応えると高木が不満げに口をへの字に曲げて言った。
「信じてませんね、佐藤さん。」
「当然でしょ。何でルパン三世がキッドの正体に繋がるDNA鑑定の結果を持ち出す必要があるのよ。」
「さあ・・・それはわかりませんけど。」
そう呟いた高木に佐藤は首を横に振り深い溜息を吐く。
「もうホント・・・都市伝説レベルの話よね。由美も高木君も、海外ドラマの見過ぎなんじゃないのかしら。」
佐藤は呆れた様に軽く高木を睨みながらそう言うと、再び顔を上げて目の前に見えてきた建物を見据えた。
「とにかく・・・そんな事よりも今すべきことは・・・。」
駐車場に車を急停車させてサッと外に出た佐藤に高木が頷く。
「わかってます!」
そう応えると高木は佐藤と並んで灯りが消えたままになっている店のカウンターに向かい歩き始めた。
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「ああ・・・博士。悪いけど、彼女とあいつら・・・今晩一晩泊めてくれるかな?俺達も今から向かうから。わりぃ、詳しくは帰ってから説明するよ。それじゃ・・・。」
コナンはそう言って電話を切ると隣を歩く快斗の顔を見上げた。
「もう既にあいつら泊まり込む気満々でベッドに入ってるって。」
その言葉に快斗が苦笑をもらして闇色に染められた空に視線を向ける。
「まあ・・・だいぶ遅くなっちまったしな。」
そう言いながらおそらく部屋に一人きりで自分を待ち続けているのだろう青子の事を思った。
それからもう一度横目で微かに目を細めてコナンに視線を向ける。
「それで・・・名探偵。今度こそ話してくれるんだろうな。」
その言葉にコナンが立ち止まり険しい表情で快斗を見上げた。
「はなから奴は名探偵がオレを守ろうとするのを見越した上であえてオレを引き摺り出そうとしてるんだろ?」
そう口にした快斗が横に下ろした掌を強く握り締める。
「奴は何をしようとしてるんだ?名探偵は一体奴・・・あの地獄の傀儡師から何を・・・。」
そう言い掛けたところで突然快斗の携帯電話が鳴り始めて、快斗は舌打ちしながらその携帯を取り出すと画面をスライドさせてすぐに通話を始めた。
「警部。えっ・・・まさか。うん・・・わかった。」
快斗はそう言って電話を切ると唇を強く噛み締めたままコナンを見下ろす。
「毛利探偵がレンタカーを借りた店の店主が・・・事務所の奥で頸動脈を鋭利な刃物で切られて殺されてたって。」
その言葉にコナンが青ざめた顔でハッと顔を上げる。
「おそらく毛利探偵がレンタカーを予約している事を知った高遠はあらかじめ店の店主を殺しておいて何食わぬ顔で店主に成り代わり毛利探偵に車を貸し出したんだ。そうして車のスペアキーを入手した奴は毛利探偵が依頼人の元へ向かっている間に仕掛けをして・・・。」
コナンはズボンのポケットの中で硬く拳を握りながら頷く。
「その店主は何もわからないままあっさりと殺されたんだ。奴がその鍵を手に入れる・・・ただその為だけに。」
そう呟いた快斗が顔を伏せた。
その時だった。
パンパンパン・・・と、この場には全くそぐわない拍手の音と共に、。
やはりこの場にはそぐわない楽し気な声がその場に響いてきた。
「大正解ですよ。黒羽快斗君。」
その声にコナンと快斗が同時に顔を上げて暗闇から徐々に近づいてくるその影を見つめる。
「高遠・・・。」
「てめぇ・・・。」
怒りを露わにした二人の声に心地良さげな顔で微笑を浮かべながら高遠が応える。
「ちなみに・・・この情報はまだ入っていない様ですね。店の中の監視カメラに映った映像が実は・・・。」
「どうせキッド(オレ)の姿を使ったんだろ?」
忌々し気に答えた快斗に高遠が笑顔で頷く。
「ええ。今頃警察は血眼になって君をさがしているはずですよ。殺人者である怪盗キッドを。」
「んな事は別に構わねぇ!!どうして店の店主を殺した?鍵を入手するだけならわざわざ殺す必要はねぇだろ?」
そう口にした快斗に高遠が微笑して応える。
「言ったはずですよ。それが私のやり方です。」
それから高遠はチラリとコナンに視線を向けて言った。
「まだ彼には話していない様ですね、あの事を。」
そう言ってフフフ・・・と笑い掛けた高遠にコナンが鋭い視線を向ける。
「既に舞台の幕は上がりましたよ、主演の江戸川コナン君。」
その言葉にコナンが微笑を浮かべると顔を上げて応える。
「舞台は天国に一番近い島・・・じゃなかったのかよ?」
「物語には壮大な本編に至る為の序章が必要でしょう?それを演出して差し上げたまでですよ。」
「その為にレンタカー店の店主を殺しおっちゃんも殺そうとした。」
掌を強く握り締めて視線を更に鋭くしたコナンに高遠が頷く。
「ええ。しかし毛利探偵は・・・私とした事が、不覚でした。まさかあの状況で命を繋ぎ止めるとは・・・驚異の生命力ですね。」
あからさまに芝居がかった仕草で手を上げながら小五郎が生きていた事を残念がるその姿をコナンは射る様な視線で睨んだ。
その視線を軽く受け流して微笑すると、高遠は快斗に視線を向ける。
「そうそう・・・黒羽快斗君。旧約聖書、伝道の書、第八章・・・ご存知ですか?」
突然の問い掛けに快斗が険しい表情のまま無言で眉を顰める。
「さすがにIQ400と言われる君でも聖書の暗唱まではされていないようですね。」
そう言って横目で快斗を見ながら笑う高遠に快斗が堪え切れずに軽く舌打ちをする。
「それでは・・・教えて差し上げますよ。あなたにぴったりの神の言葉を。」
それからスッと息を吐いた高遠が静かな声で言った。
「罪人で百度悪をなしても長生きするものがいるけれども・・・わたしは知っている。悪人には幸福がない。またその命は陰の様であって長くは続かない。」
そこで一度言葉を区切ってから怖いくらいに優雅な微笑を湛えて高遠が微笑む。
「あなたが幸福になる事はあり得ない。そう・・・予言の言葉ですよ。」
その瞬間ポンッと音を立ててその場が煙幕に包まれる。
「壮大なクライマックスを見るまで物語は終わりません。それではまた近いうちに・・・あの南の島でお待ちしていますよ。」
暗闇の中で余韻を残すかの様な悪意の残像にコナンと快斗は顔を見合わせる。
「名探偵・・・。」
呼び掛けた快斗にコナンが頷く。
「わかった。すべて話すよ。」
そう答えたコナンに快斗は頷くと、再び阿笠邸へ続く道を二人並んで歩き始めた。

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